世界大会ベスト4構築[ロイドブーン入りマンダグロス]
構築だけ欲しい方のために先にshowdowntextを置いておきます。
【構築作成経緯】
日本の全国大会で満足のいく結果を残せず悔しい思いをした自分はまず全国大会でベスト8となった構築を参考にすることにしました。
その中でも準優勝となったじーんさん(@zeen172M)の構築は、耐久振りウツロイド+マッシブーンの組み合わせ(以下ロイドブーン)にバルジーナが入った構築で、s操作が「おいかぜ」「トリックルーム」のどちらも入っており、また構築全体として種族値が高く、非常に安定感のある構築に思えました。
この時点で構築を組むときは、s操作を二つ以上組み込んだパーティーにすることを決め、その上でAFK(ウインディ、カプ・レヒレ、カミツルギを軸にしたパーティのこと)などのメジャーな構築に強いパーティーを目指しました。
そこから構築の軸となる並びを模索しましたが、徐々に増えてきていた『とつげきチョッキ』持ちボーマンダの「じならし」でメタグロスの『じゃくてんほけん』を発動させる構築に興味をもち、試してみたところメタグロスの「バレットパンチ」がとても強力だったのでここから構築を練っていくことにしました。
当時は世界大会でウツロイドが流行ると思っており、そこに有利を取れると考えたという理由もあります。(実際にウツロイドが多かったかどうかはかなり怪しいところですが)
JCSでAFK+カプ・コケコ+ポリゴン2入り構築
を使っていた時、ウィンディの【いかく】をカプ・コケコの「ボルトチェンジ」で出し入れしてポリゴン2で受け回す動きが肌に合っていた事を思い出し、とりあえずカプコケコとポリゴン2を入れて対戦してみたところ、
○ガラガラに何もできない
○水の一貫がきつい
○相手のカプ・コケコが少しきつい
○そもそもあまり受け出せない=そこまで受け身な構築ではない
などの事がわかりました。
Lacquerさん(LCQ_poke)のブログのボーマンダ+メタグロス構築(以下マンダグロス)を参考にしてガラガラを採用してみたりもしましたが、基本選出を先発カプコケコ+ボーマンダ、後発メタグロス+ガラガラにすると地面の一貫があまりに厳しいので見送りとなりました。
どうしたものかとshowdownのランキングに載っている人の対戦を見ていたところ、ウツロイドとハリテヤマをマンダグロスに組み込んでいるプレイヤーがいたのでこれをヒントにウツロイドの採用を決め、ウツロイドを耐久型にすればガラガラとカプコケコに強いポリゴン2として使えるのではないかと考えました。
ウツロイドはメタグロスの苦手なバルジーナやペルシアン、ウィンディに対しても強く、二つ目のs操作役として最適でした。
遅いウツロイド+ハリテヤマではガブリアスが辛かったのでハリテヤマをマッシブーンにかえて対戦してみると、「じならし」ボーマンダと耐久ウツロイド、マッシブーンの組み合わせが想像以上に相性がよく、特にAFKに対しては圧倒的な強さを誇れるようになりました。
最後の一枠を決めるのは苦労しましたが、雨パーティーに負けたくなかったのと、まだ対ガラガラ、特にテッカグヤと組んでいるパーティーに不安があったのでトリトドンを採用しました。トリトドンはボーマンダとの相性がよく、パーティーにいるだけで相手にカミツルギやカプ・ブルルなどの選出を強制させることができるため、こちらの基本選出をさらに通しやすくなりました。
こうして6匹が決まり、技や調整を弄っていきました。
ショウダイさん(@sho249962)に構築を回してもらって相談しあいながら意見をフィードバックさせていったり、ひいあさん(@Hianmain)やDJ君(@dj_poke523)が何度も開いてくださったbo3杯で調整させていただいたり、後輩にウツロイドを借りたりフレ戦してもらったりと、多くの人に助けられてこの構築は完成しました。この場で改めて感謝させてください。本当にありがとうございました!
持ち物:ウイのみ
特性:ビーストブースト
性格:ずぶとい
努力値:H228 B252 C28
実数値:213-*-108-151-151-123
B:A233カミツルギの「スマートホーン」確定耐え(170~204)
A126テッカグヤの「ヘビーボンバー」確定耐え(158~188)
S:「じならし」後のペルシアン(115族)抜き
耐久に厚く振ったウツロイド。素早さ以外キヌガワさんのブログの調整を使わせていただきました。
低い素早さを「じならし」や「トリックルーム」で補い、 相手に負担をかけていきます。火力は抑え目ですが相手の弱点をつきやすく、メタグロスの「バレットパンチ」圏内に入れるだけでもゲーム展開を楽にしてくれます。相手にすれば非常に倒しにくく、厄介なポケモンだったと思います。
カプ・コケコ
技:10まんボルト マジカルシャイン ボルトチェンジ まもる
持ち物:デンキZ
特性:エレキメイカー
性格:おくびょう
努力値:C252 D4 S252
実数値:145-*-105-147-96-200
「ボルトチェンジ」でボーマンダの【いかく】を使いまわしたり、最後に出てきて相手を一掃したりする万能ポケモン。間違いなくこのルール最強の一匹でしたが、その分ガラガラやトゲデマルで対策されていました。
この構築では特にメタグロスの『じゃくてんほけん』を発動させた後、ボーマンダを捨ててカプ・コケコとメタグロスを並べて制圧していくのが非常に強力でした。
相手のカプ・コケコと対面したときは、積極的にコケコに『デンキZ』を使っていきました。相手のカプ・コケコは「ボルトチェンジ」でウインディなどに交換していることも多いですし、交換していなければメタグロスの「バレットパンチ」圏内に入れることができます。
技:りゅうせいぐん かえんほうしゃ じならし ドラゴンテール
持ち物:とつげきチョッキ
特性:いかく
性格:ひかえめ
努力値:H212-B4-C36-D92-S164
実数値:197-139-101-148-112-141
B:A182ガブリアスの「ドラゴンクロー」確定耐え(164~194)
C:「かえんほうしゃ」でH187-D111メタグロスを92.6%で二発(90~108)
D:C147カプ・コケコの「マジカルシャイン」フェアリーZ確定耐え(158~188)
C147カプ・コケコのダブルダメージ『いのちのたま』「マジカルシャイン」確定三発(78~94)
S:最速ドーブル+2
この構築の要でほぼ毎試合選出しました。ドーブル+イーブイorポリゴンZや相手のマンダグロスを意識して素早さを早めに設定したおかげで、相手の『とつげきチョッキ』もちボーマンダには全て先制できました。(一回『ヒコウZ』ボーマンダに上からやられましたが)
本当はランク一段階upしたC143ポリゴン2の「れいとうビーム」を確定で耐えられるようにしたかったのですが、努力値が足りなかったのでカプ・コケコと並べたときに【ダウンロード】で攻撃が上がるように調整し、できる限りHに回しました。
高い耐久があるのでほぼ確実に「じならし」を通すことができ、相手のカプ系を倒すことができればこのポケモンだけで相手の残りポケモンすべてに有利ということも多々ありました。
命中安定な「りゅうのはどう」ではなく「りゅうせいぐん」を採用した理由は相手のガブリアスを確定で倒すもしくは確実に「バレットパンチ」圏内に入れたかったからです。
「ドラゴンテール」は「はらだいこ」カビゴンに隙を見せないようにしたり、ポリゴンZを飛ばすために採用しました。「トリックルーム」を阻止するために使うことはほとんどなかったですが、想定通りしっかり機能してくれました。
間違いなく今回のパーティーのMVPであり、ボーマンダが一層好きになりました。
誰かボーマンダとメタグロスのアイコン書いてくださいおねがいしますなんでも
持ち物:じゃくてんほけん
特性:クリアボディ
性格:いじっぱり
努力値:H252 A116 B60 D44 S36
実数値:187-187-158-*-116-95
A:「アームハンマー」でH244までのB117カビゴンを確定2発(122~144)
「バレットパンチ」で無振りカプ・コケコに42~49ダメージ
B:A182ガブリアスの1ランクダウン「じしん」ジメンZ確定耐え(156~186)
D:C161カプ・レヒレのダブルダメ『こだわりメガネ』「だくりゅう」98.8%で二発耐え(79~94)
S:s実数値143までのポケモンを「じならし」後に抜き
【いかく】で火力の落ちない「バレットパンチ」がとにかく強く、相手を圏内に入れることを常に意識して立ち回っていました。ボーマンダより遅いポケモンは全て「じならし」を打った後にメタグロスで先制できるようにしています。少しまわした特防は、ウツロイドと並べたときに【ダウンロード】で攻撃が上がるようにするためでもあります。
「バレットパンチ」以外の技の命中率が不安なポケモンでしたが、全体的によく当ててくれたと思います。『じゃくてんほけん』発動後の「アームハンマー」でカビゴンを一撃で倒したり、テッカグヤや相手のメタグロスに大きく削りを入れてくれました。
技:ばかぢから どくづき れいとうパンチ まもる
持ち物:カクトウZ
特性:ビーストブースト
性格:いじっぱり
努力値:H68 A164 B4 D244 S28
実数値:191-198-160-*-104-103
A:「ばかぢから」カクトウZで無振りガブリアス確定一発(184~217)
D:C147カプ・コケコのエレキフィールド下『こだわりメガネ』「10まんボルト」確定耐え(160~190)
S:準速ガブリアスを「じならし」後に抜き
無振りカプ・レヒレ-2
構築の地面耐性兼トリルアタッカー。ウツロイドとともにバルジーナやペルシアンに強いのが素晴らしく、テッカグヤへの貴重な打点枠でもあります。このルールは基本的に格闘技を受けられるのがカプ系しかいないため、できるときには交換をケアした行動をしていきたいです。
カプ・コケコに対してもZ技以外であれば一発耐えて行動できるので、割と強気に動かしていくこともあります。後ろ姿がイケメンでした。
持ち物:オボンのみ
特性:よびみず
性格:おだやか
努力値:H228 B196 C4 D76 S4
実数値:215-*-113-113-123-60
B:A182ガブリアスの1ランクダウン「じしん」ジメンZでオボンを食べる(109~129)
D:C161カプ・レヒレの『こだわりメガネ』「ムーンフォース」で105~124ダメージ
補完として入ってきたトリトドンですが、パーティーに「どくどく」が入っていないとわかったGACT(ガブリアス、ウインディ、テッカグヤ、カプ・コケコを軸にしたパーティのこと)相手に出すと相手を詰ませることが出来たりと、新しい勝ち筋としてつかうこともできました。
カプ・コケコと並べたときに【ダウンロード】で攻撃があがるように調整し、素早さは最遅ポリゴン2抜かれの57にするか悩みましたが、「はらだいこ」カビゴン相手に上から「クリアスモッグ」を打つ方が重要だと考え、Sは落としませんでした。
いろいろ考えましたが、この枠はこのポケモンしか有り得ないと今では思っています。
【選出例】
対AFK+トゲデマル(DJパ)
かなり有利な相手。ウツロイドとボーマンダとマッシブーンだけで基本的に勝てます。
対AFK+カプ・コケコ
先発:ウツロイド+カプ・コケコ
これも有利です。カミツルギを倒してウツロイドを通すパターンとカプ系を倒してボーマンダを通すパターンを狙っていきます。
対GACT
先発:カプ・コケコ+ボーマンダ
GACTは残り2体の組み合わせがたくさんあるので完全に選出を決めることはできませんが、初戦はこの選出で行きます。相手にキュウコンがいてもこの選出をします。カプ・コケコに『デンキZ』を打って「バレットパンチ」で縛り、ボーマンダを通していくのが理想の展開です。
対カプ・テテフ+フワライド構築(以下テテフライド)
先発:カプ・コケコ+ボーマンダ
初手でテテフライドと対面した場合はフワライドに「ボルトチェンジ」を打ってメタグロスを繰り出しながら「じならし」で『じゃくてんほけん』を発動させます。後はフワライドの「おにび」に気を付けながら「バレットパンチ」でカプ・テテフを縛っていきます。
対雨パーティ
先発:カプ・コケコ+ボーマンダ
トリトドン大事にしてれば勝てると思ってたら負けたことあるので油断しないように。相手のカプ・コケコは優先的に処理していきます。
カプ・レヒレ入りのエルフーン構築に初手でカプ・コケコを出すとフィールドをとられてピンチになりやすいのでエルフーンに厚い初手で行きます。
先発:カプ・コケコ+ボーマンダ
必ずと言っていいほど裏にガブリアスがいるのでウツロイドは出さず、相手のカプ系を処理した後マッシブーンを通すことを目指します。
後発:メタグロス+カプ・コケコ
かなりウツロイドが刺さっているのでウツロイドを大事にすれば基本勝てます。
ギガルガン以外の初手が来ても対応できるウツロイド+ボーマンダで投げます。相手の初手がギガルガンだった場合はウツロイドが守りながらボーマンダをメタグロスに変えて攻めていきます。
対ペルシアン入り
先発:カプ・コケコ+ウツロイド
ペルシアン入り構築は基本的にペルシアン+カプ系の初手で来るのでペルシアンに強い二匹を初手に出します。
あまり当たりたくない相手。鋼枠を倒してウツロイドを通すか、カプ・コケコを倒してボーマンダを通す動きを狙っていきます。
先発:カプ・コケコ+ウツロイド
ポリゴンZが「トリックルーム」型でも「テクスチャー」ノーマルZ型でもウツロイドで「トリックルーム」を選択するのが安定になります。「テクスチャー」型だった場合はトリトドンの「クリアスモッグ」で弱体化させていきます。この手の構築は取り巻きがウツロイドとマッシブーンに弱くなりがちなのでポリゴンZさえ倒せばなんとかなります。
先発:カプ・コケコ+ボーマンダ
後発:トリトドンorマッシブーンorウツロイドorメタグロスから二匹
初手はドーブルに「ボルトチェンジ」を選択しながら「じならし」。一度「じならし」をあてておけばバトン先のポケモンにカプ・コケコが先制できるようになります。ここでメタグロスの『じゃくてんほけん』を発動させられればベスト。メタグロスで「このゆびとまれ」要員ににらみをきかせながらイーブイが「バトンタッチ」をするターンに「ドラゴンテール」を打てば、バトンを受けられるのはカプ系しかいません。(ワルビアルやウインデイにバトンを渡すことができない)
あとはカプ系に「クリアスモッグ」をあてるなり普通に倒すなりで勝てます。
また、「このゆびとまれ」+カビゴンで「はらだいこ」をする構築に対しても同じ動きでメタグロスの「じゃくてんほけん」を発動させることで対処できます。
対NBA(ウツロイド、カプ・ブルル、ウインディを軸にしたパーティのこと)
後発:ボーマンダorメタグロス+マッシブーン たまにトリトドン
トリトドンがいることもあり、かなり有利なパーティです。メタグロスも刺さっているのでウインディの「おにび」に注意して詰めていきます。カプ・コケコを出してもいいのですが、相手のポリゴン2の「10まんボルト」の威力が上がってしまうのであまりおすすめできません。
対メレシー+ラッキー
初手「じならし」を選択すればメレシーを「バレットパンチ」で縛れるようになるので「ガードシェア」をさせずにメレシーを倒すことができます。「ガードシェア」さえされなければマッシブーンの『カクトウZ』で容易に倒すことができますし、少なくとも『じゃくてんほけん』の発動したメタグロス相手に【マジックガード】を「スキルスワップ」する余裕はないのでトリトドンの「どくどく」で倒すことができます。
【構築総括】
この構築はメジャーな構築に有利をとりやすい構築で、世界大会でここまで勝てたのはマッチングが良かった部分も正直あると思っています。しかし、今回の構築は自分がいままで組んできた構築の中で最優とも言えるものであり、しっかりと練習をして臨んだ世界大会だったので結果を出せて本当にうれしいです!来年の世界大会でも戦っていけるように、まずは単位と戦っていきたいと思います。ベンキョウハ ワルイブンメイ キライ
【準決勝のラストターンについて】
言い訳みたいであんまり書きたくないんですけど会う人みんなに聞かれるので。
となりにいたジャッジの人から日本語で「あと3ターンの後に試合を終了します」とか「これがラストターンです」と言われていました。まもれば勝ちという確信があったわけではありませんが、最後の最後で勝ちが見えて舞い上がってヘドロばくだんを押したのはただただ自分の甘さが原因です。自分は負けるべくしてバルドルさんに負けたと思っていますし、来年は必ずリベンジしたいと思っています。
【QRレンタルチーム】
ここまで見て下さりありがとうございました。もしよければ実際に構築を使ってみてください!
https://3ds.pokemon-gl.com/rentalteam/BT-5136-474C
【おわりに】
ポケモン対戦だけでなく、観光や海外勢との交流も含めてポケモンの世界大会は最高です!自分は世界大会二年目ですが、去年行った時「かならず来年も来るぞ!」と強く思ったのを覚えています。もちろん今年もです!みんなで楽しんでいるとき、「ポケモンやっていてよかった。」と心から思える気がします。See you next year in Nashville!