【INC February使用構築】ニンフィア入りバンドリキッス
はじめに
お久しぶりです。今回はINCで使用した構築の記事になります。残念ながら予選抜けラインには届きませんでしたが、かなり使い込んだ並びなので振り返りの意味を込めて書きました。
構築作成経緯
バンギラス+ドリュウズ+トゲキッス(以下バンドリキッス)の3体はランクマッチや大会でも採用率が高く*1、3体ともダイマックスする可能性があったり、バンギラスが特殊型であったりと型に幅があり、取り巻きの3体まで考えると対策するのが非常に難しい組み合わせです。また、【すなかき】ドリュウズという高速アタッカーと、「このゆびとまれ」持ちトゲキッスが基本選出に組み込めることから味方殴り+『じゃくてんほけん』などのギミック系パーティに強く、INCという連続で安定して勝つことが求められる大会にも適していると考えました。適していましたか......?(小声)
当然、かなりの数のミラーマッチも想定されるため、取り巻きを選ぶ上でしっかりと考えたいところです。ミラーの他に個別で意識しておきたいポケモンを挙げると
・エルフーン+ウオノラゴン
・ロトム(ウォッシュ)
は最低でも意識して取り巻きを考える必要があります。また、直近の海外大会で優勝したMarcoが使っていたの並びもバンドリキッスを意識して組まれており、これに勝てる構築でなければいけません。今回は上記をまとめて見ることが出来る「トリックルーム」+ニンフィアの組み合わせを採用することにしました。次項で説明しますが、ロトム入りのミラーでも活躍します。
「トリックルーム」要員にはサマヨールを採用しました。他のポケモンと比べると耐久が圧倒的で、後発からでも「トリックルーム」が決められる点が大きいです。
ここまでで5体が決まり、残りの1体には色々試しましたが、特殊ドラパルトを採用しました。6体目はアーマーガアなどのニンフィアが通らない物理受けポケモンに対して打点を持つ必要があり、ロトムにするかドラパルトにするかで悩みましたが、素の素早さがウインディより早いポケモンが構築に欲しかったのと、「トリックルーム」絡みのアイアント構築に対してまだ不安があったのでドラパルトを採用しました。
バンドリキッスミラーについて
バンドリキッスミラーの選出を決める上で重要になってくるポイントは
①「トリックルーム」を使えるポケモンがいるか
②ロトムがいるか
③ドリュウズの型がミラーに強いものであるか
の三つだと自分は考えました。
①: 「トリックルーム」は低速なバンギラスを最も強く扱えるようにする技であり、決まればバンギラスだけでパーティが壊滅することもあるため、相手の選出がかなり制限されます。
②: ロトムの有無は、要するに『リリバのみ』持ちトゲキッスを一撃で倒す手段があるかという事であり、初手のトゲキッスに対して強く出ることができます。
③: ミラーマッチでドリュウズに対して最大打点が出せるのは基本ドリュウズなので、例えば『きあいのタスキ』を持ったドリュウズなどは相手のドリュウズに対してダイマックスせずとも安定してダメージを稼げるのでミラーに強いと言えます。
上記のポイントを踏まえた上で、バンドリキッスを「トリックルーム」とロトムの有無で以下の4つに分け、各タイプに対して選出を考えることにしました。
・タイプA(トリル無ロトム無)
+or
参考(Kelvin Ngim、Eric Rios)
・タイプB(トリル有ロトム無)
+oror
参考(SNOW、ひろきんぐ*2 )
・タイプC(トリル無ロトム有)
+oror
参考(エモンガ大統領*3、YT、James Kastaros、Paul Chua*4 )
・タイプD(トリル有ロトム有)
+or
参考(わいぽん、じーん)
*敬称略 *脚注無しはオセアニア大会のresultより
ロトムのいないタイプA、タイプBの構築は、一部例外はあるものの地面技を受けられるポケモンがトゲキッスしかいないため、ドリュウズをいかに通せるかが勝負の鍵になります。先発のドラパルトの「ダイホロウ」で相手の防御を下げつつトゲキッスを突破した後、『きあいのタスキ』ドリュウズの「じしん」で一掃するプランを狙います。ロトムがいない分トゲキッスが動きやすいマッチアップです。
先発:後発:@1
ロトムのいるタイプC、タイプDの構築に対しては初手にロトムが出てくる可能性が高いことを踏まえてトゲキッスは出さず、「トリックルーム」からニンフィアを通すプランを狙います。先発にはロトム+トゲキッスに強く出られるバンギラス+ドリュウズを出し、バンギラスのダイマックスから打ち合っていきます。
先発:後発:
INC前は大まかに上二つのプランを想定して練習していました。 もちろん相手の構築に応じて違う選出をすることもありましたが、予め考えていた分選出に悩むことは少なかったです。
個別解説
持ち物:じゃくてんほけん
特性:すなおこし
性格:いじっぱり
努力値:H252 A172 B52 D12 S20
実数値:207-193-137-X-122-84
B: A205ドリュウズの『いのちのたま』「アイアンヘッド」最高乱数以外耐え(174~211)
A204バンギラスの『いのちのたま』「ばかぢから」をダイマックス時最高乱数以外耐え(354~416)
D: C161リザードンの【サンパワー】「きあいだま」をダイマックス時最高乱数以外耐え(356~420)
S: あまり振っていないバンギラス意識
数値の塊。今回の構築は「トリックルーム」プランを重く見ているので、ダイマックスすることが多いです。よくドリュウズの「じしん」に巻き込まれる。
ダイマックス率50%
持ち物:きあいのタスキ
特性:すなかき
性格:ようき
努力値:H4 A252 S252
実数値:186-187-80-X-85-154
高速アタッカー。ダイマックスせずに「じしん」を打つことが多いですが、押し切れそうな時はダイマックスして戦います。「トリックルーム」最終ターンに「まもる」を使いたいことが多かったのでこの技構成。
ダイマックス率20%
持ち物:リリバのみ
特性:きょううん
性格:ずぶとい
努力値:H244 B252 D12
実数値:191-X-161-140-137-100
「このゆびとまれ」でドラパルトやドリュウズ、バンギラスをサポートする役割がメインですが、「あくび」と「まもる」のおかげで初手の出し負けがほとんどないのが非常に強いです。このルールは相手の初手のダイマックスに対して押し負けないような初手を出す必要があるので、この技構成のトゲキッス+『きあいのタスキ』ドリュウズorダイマックスポケモンという初手は非常に安定感がありました。
ダイマックス率0%
ドラパルト
持ち物:いのちのたま
特性:クリアボディ
性格:ひかえめ
努力値:H220 C156 S132
実数値:191-X-95-154-95-179
S: 最速110族+1
C: 「ダイホロウ」+A187ドリュウズの「いわなだれ」で相手のトゲキッスが大体倒れる程度
H: 残り
最初は相手のドラパルトの『いのちのたま』「ダイホロウ」耐えの調整(H252B28振り)を使っていたのですが、この構築では相手のアイアントの上を取る必要があるためやむなく耐久を削って素早さに回しました。特殊型のドラパルトは「あくび」を打たれた後に「ダイサンダー」を使うことで眠らないようにできるため、相手のトゲキッスを無視して横のポケモンに「ダイホロウ」を打っていけるのが強みです。
ダイマックス率30%
持ち物:しんかのきせき
特性:おみとおし
性格:なまいき
努力値:H252 B60 D196
実数値:147-90-158-X-192-27(s個体値0)
D: A131ウインディの「じならし」+C165ジュラルドンの+2「ダイアーク」確定耐え(122~146)
特殊方面に厚く耐久を回した「トリックルーム」要因。ロトムの+1『いのちのたま』「ダイアーク」も余裕を持って耐えることができて強いです。配分くれたじーんさんに感謝。安定した削りの「ナイトヘッド」と『じゃくてんほけん』起動用の「じならし」は確定として、最後の枠は「サイドチェンジ」を採用しました。優先度のある技として「てだすけ」と選択でしたが、サマヨール+ドラパルトの様な出し方をする時は大抵ドラパルトにダイマックスは切らずに「トリックルーム」をしていたので、バンギラスと並べたときにより強いこちらにしました。
ダイマックス率0%
技:ハイパーボイス はかいこうせん マジカルフレイム でんこうせっか
持ち物:こだわりメガネ
特性:フェアリースキン
性格:れいせい
努力値:H252 B4 C252
実数値:202-85-86-178-150-58(s個体値0)
「ハイパーボイス」を打つ機械。先発では基本ださず、他のポケモンである程度相手を削ってから〆に使うことが多いです。H振りトゲキッスに対して半分程度のダメージを出すために持ち物は『こだわりメガネ』。「でんこうせっか」は『きあいのタスキ』ドリュウズに隙を見せないために入れました。
ダイマックス率0%
選出例
・基本選出①
「トリックルーム」+バンギラスが通せそうな相手に。ダイマックスはバンギラスに切ることが多いです。
・基本選出②
ウインディやロトムなど、ドラパルトで圧力を掛けたい中速ポケモンが多い相手に。
or
「トリックルーム」での切り返しを狙います。試合の序盤~中盤はエルフーンを倒したり相手のアタッカーをニンフィアの「ハイパーボイス」圏内に入れることを意識します。
・対ミラー
@1 or
バンドリキッスミラーについてを参照。
・その他バンギラスが出しにくそうな相手
先発でどちらかにダイマックスを切りつつニンフィアでの〆を狙う選出。
反省点
・「トリックルーム」プランをサマヨールの耐久に頼りすぎていた
この構築ではサマヨール+トゲキッスの様な初手は投げず、試合展開の中でスイッチ気味に「トリックルーム」を狙います。そのため、『こだわりハチマキ』持ちウオノラゴンなどの高火力技の集中でそのままサマヨールが倒されてしまうことが多くありました。最後の一匹がニンフィアのことが多いため、サマヨールが「トリックルーム」を貼れなかった時点でほぼ負けが確定してしまうのも良くありませんでした。
バンドリキッスミラーにおいて、相手も同じ様にバンギラス+ドリュウズで入ってきた場合、お互いのバンギラスの素早さ関係で有利不利が大きく変わります。一応バンギラス「まもる」+ドリュウズ「じしん」から入ることを決めてはいましたが、やはり相手のバンギラスが早かった場合そのままこちらのバンギラスを落とされて負けてしまう試合もいくつかありました。これは完全に考察不足だったと思います。
おわりに
発売日からINCまで、ランクマッチではそこそこ勝てていただけに悔しく、似た様な並びで抜けている人もいるので、自分の実力不足を痛感します。次のシリーズ3はガオガエンやキョダイラプラスなど、今までとは全く違う環境になると思いますが、しっかり研究して次こそ抜けたいと思います。ここまで読んでいただきありがとうございました。
参考記事URL
*1:
https://liberty-note.com/2020/02/23/usage-rate-swsh13/?amp=0&__twitter_impression=false
https://victoryroadvgc.com/2020/02/23/results-melbourne-2020/
*2:
https://liberty-note.com/2020/02/08/swsh-double-season2-21st/
*3:
https://darkofrating.hateblo.jp/entry/2020/02/02/010852
*4:
https://liberty-note.com/2020/02/07/swsh-double-season2-17th/