【PJCS2022 3位】壁ボルトオーガザシアン
English ver. PJCS (pokepast.es)
はじめに
今回は全国大会で使用した構築の紹介記事になります。一匹一匹に珍しい要素は少ないですが、それゆえに王道の強さを感じられる構築なので、記事を読んだ後はぜひ使ってみてください!
構築作成経緯
海外大会で結果を残したオーロンゲ入りのカイオーガ+ザシアンの組み合わせ(以下オーガザシアン)を使っていたところ、『とつげきチョッキ』を持たせ耐久に厚く配分したカイオーガが想像以上に突破しづらく、強力であることがわかったのでこの6体をベースに構築をスタート。
原案の構築はカイオーガを主にダイマックスさせ、ガオガエンやゴリランダーでそのサポートをする構築でしたが、以下の弱点がありました。
・素早さ操作がオーロンゲしかできないため、カイオーガは基本的に初手に出す必要がある
・耐久重視の配分のため、「ひかりのかべ」や「バークアウト」等で凌がれやすい
・特定の一般ポケモンによる対策が容易である(モロバレル、ゴリランダー、トリトドン等)
これらへの回答としては物理ポケモンの「ダイジェット」、とりわけ特性【まけんき】のボルトロスが最適と考えました。
ボルトロスは初手に繰り出されることが多いポケモンですが、カイオーガが誘う草タイプや削れた相手に対して繰り出し、隣をザシアンに交換しながら打つ「ダイジェット」は、ゲームを決める性能があります。ボルトロスは耐久が不安なポケモンではありますが、オーロンゲの「リフレクター」や「ひかりのかべ」(以下壁)によってある程度緩和できそうです。
こうして初手の壁オーロンゲ+カイオーガでダイマックスをちらつかせながら相手を削り、裏のダイマックスボルトロス+ザシアンで巻き返していく構築の軸が定まりました。
次に採用したのはモロバレルです。オーロンゲが選出しにくい相手に対しモロバレル+カイオーガと選出することで、「しおふき」を通しながらダイマックスボルトロス+カイオーガの強力な並びを作ることができます。またモロバレルはボルトロスが苦手とする「トリックルーム」構築に強く、「かふんだんご」を絡めて強固に戦っていくことができます。
最後の一匹はガオガエンを採用しました。グラードン+ザシアン+トリトドンの組み合わせ(以下グラザシ)に対して選出できるポケモンが欲しかったのと、白馬バドレックスの氷技を受ける必要があったので、防御に厚く配分したガオガエンを使いました。
こうして6匹が決まり、技や調整を弄っていきました。詳細は個別解説にて。
個別解説
技:しおふき こんげんのはどう かみなり こごえるかぜ
持ち物:とつげきチョッキ
特性:あめふらし
性格:ひかえめ
努力値:H252 B172 C4 D4 S76
実数値:207-X-132-188-161-120
B: A194『きせきのタネ』もちゴリランダーのフィールド「グラススライダー」13/16耐え
S: +1で最速ボルトロス抜き
今回のパーティの核。ダイマックスをボルトロスに譲り、多少雑に扱いながら相手の削りを担うことが多いです。そのため、オーロンゲが選出できない際に相手の「ダイジェット」に対応できる「こごえるかぜ」を採用しました。後発ダイマックスプランを決めやすくなる良い技選択だったと思います。
もちろん普通にダイマックスしても強く、このとくこうでも無振りザシアンを「ダイストリーム」で確定にできる程度はあります。「ダイアイス」の威力が低いことだけ注意(110)。
オーロンゲ
技:ソウルクラッシュ リフレクター ひかりのかべ こわいかお
持ち物:リリバのみ
特性:いたずらごころ
性格:しんちょう
努力値:H252 A4 B20 D220 S12
実数値:202-141-88-X-135-82
B: A207ソルガレオのダイスチル最高乱数以外耐え
「リフレクター」下でA244ザシアンの「きょじゅうざん」確定耐え
D: 「ひかりのかべ」下でC222『しんぴのしずく』もちカイオーガの雨「ダイストリーム」確定耐え
壁貼りポケモン。オーロンゲは壁ターンを伸ばすために『ひかりのねんど』を持っていることが多いですが、この構築はダイマックスボルトロスで攻撃的に切り返していく構築のため、壁のターンよりもオーロンゲの行動回数を増やすことを優先して『リリバのみ』を選択しました。
特に初手のボルトロス+ザシアンでオーロンゲを倒しながら一気に攻めようとする構築に対して強く、自信をもって「リフレクター」を張ることができます。
また、オーガザシアンが苦手とするディアルガやソルガレオに対しても壁を張るプランを選択できるのが非常に強力です。
相手のボルトロスに対してS操作を行いたかったので「でんじは」ではなく「こわいかお」を採用。重ね掛けができるのも「でんじは」にはない利点です。
攻撃技はオーロンゲミラーを重く見て「ソウルクラッシュ」を採用しました。
持ち物:いのちのたま
特性:まけんき
性格:ようき
努力値:H36 A196 B20 D4 S252
実数値:159-160-93-X-101-179
A: H154ダイマックスリザードンを「ダイサンダー」で確定
B: A231ザシアンの「きょじゅうざん」+A194『きせきのタネ』ゴリランダーのフィールド「グラススライダー」+珠ダメをほぼ耐え(ダイマックス時)
D: C202カイオーガの雨「ダイストリーム」+珠ダメ確定耐え
構築のエース。カイオーガやザシアンと並べた際の制圧力はトップクラスで、特性の【まけんき】と合わせて相手に容易な逆転を許しません。
カイオーガやザシアンは対策できているが横に並ぶボルトロスは対策できていない。というような構築は多く、特に裏から繰り出すダイマックスボルトロスは環境に刺さっていると感じました。
反面耐久はそれほど高くはなく、相手のザシアンの「きょじゅうざん」は壁下でも半分くらってしまうため、ダイマックスするタイミングはかなりシビアです。オーロンゲが倒された後にもすぐにはダイマックスを切らず、一旦守りながらカイオーガでさらに相手を削るなどの動きを常に選択肢に入れていました。
ザシアン
持ち物:くちたけん
特性:ふとうのつるぎ
性格:いじっぱり
努力値:H188 A156 B4 D4 S156
実数値:191-231-136-X-136-188
A:「きょじゅうざん」+「でんこうせっか」+珠ダメで H159-B81ダイマックスレジエレキを確定
S: +1でレジエレキ抜きラインより少し上
H: 残り
ダイマックスボルトロスと最も相性の良い禁止伝説。特に「ダイジェット」でSを上げる動きが凶悪で、ボルトロスが【いかく】を牽制しているため非常に受けづらいです。
ボルトロス、カイオーガともに相手のダイマックスレジエレキが厳しいため、そこを意識した調整に加え、「でんこうせっか」を採用しました。
技:かふんだんご キノコのほうし いかりのこな まもる
持ち物:きあいのタスキ
特性:さいせいりょく
性格:おだやか
努力値:H252 B4 D252
実数値:221-X-91-105-145-48
S: 最遅白馬バドレックス-1 (S個体値26)
隠れたMVP。対高速パーティは「いかりのこな」でカイオーガを守る動きが、対「トリックルーム」パーティは「キノコのほうし」と「かふんだんご」による遅延がそれぞれ強力です。
役割対象がカイオーガ、パルキア、ディアルガ、黒馬バドレックスなどの特殊伝説に偏っているので最大限特殊耐久を上げました。
持ち物は『バコウのみ』と悩みましたが、予選がbo1ということで「てだすけ」+ダイマックス技の奇襲を警戒し、『きあいのタスキ』を選択。今大会では発動しませんでしたが、強気に動けるという点で悪くはないチョイスだと思います。bo3なら『バコウのみ』で良いです。
持ち物:シュカのみ
特性:いかく
性格:わんぱく
努力値:H252 A4 B156 D84 S12
実数値:202-136-143-X-121-82
B: 『シュカのみ』込みでA222グラードンの-1「だんがいのつるぎ」+A244ザシアンの「せいなるつるぎ」確定耐え
A238白馬バドレックスの「ダイアース」確定耐え
D: あまり
補完で入ってきたポケモン。カイオーガを物理ポケモンで倒そうとする構築に強く、モロバレルと合わせて対トリックルームの要になります。モロバレルと合わせることで半永久的にサイクルを回すことができますが、その際に相手に「あくび」を打たれてはどうしようもないため「ちょうはつ」を採用。2回目の「トリックルーム」を防ぐなど詰め筋にも有用です。
選出例
基本選出①
ダイマックスボルトロスが通せそうな相手に。壁+「しおふき」または「こんげんのはどう」から攻めていきます。
基本選出②
+or
オーロンゲが選出しにくい時に。カイオーガを雑に扱い、モロバレル+ザシアンorボルトロスの並びを作るプランも強力です。
基本選出③
+or
基本的にボルトロスは初手からダイマックスはせず、「まもる」+「すてゼリフ」で相手の対応を見てから動きを決めることが多いです。
vsオーガザシアン
または
+or
基本はダイマックスボルトロスのプランを狙います。オーロンゲ+カイオーガの初手は相手のモロバレルが突破できないため、モロバレルの初手が考えられる際はボルトロスから入ります。
vsグラザシ
+or
ダイマックスボルトロス+ザシアンでの崩しを狙います。ザシアン+トリトドンで選出されることが多く、「すてゼリフ」でザシアンを弱らせながらボルトロスを通していきます。リザードンをボルトロスがけん制している&相手としてはトリトドンを選出せざるを得ないので、ガオガエン+モロバレルが意外と崩されにくいです。
vs黒バドザシアン
壁+「こんげんのはどう」または「こごえるかぜ」で相手を削り、裏のボルトロス+ザシアンで巻き返しを狙います。相手の裏にはゴリランダーやトリトドンなどのカイオーガ対策のポケモンが控えていることが多く、そこにダイマックスボルトロスを通していきます。
vs黒バドオーガ
壁+ダイマックスカイオーガで殴りあうマッチアップ。初手にレジエレキが来た場合は壁を張りながら一旦ダイサンダーをモロバレルで受け、モロバレル+カイオーガの並びを作ることを目指します。
vs白馬パルキア
基本的にお互いモロバレルが辛く、モロバレルの横を眠らせあった後どちらが強い盤面を作れるかという勝負になります。カイオーガ、モロバレルともに特殊耐久が厚いため相手は崩しに白馬バドレックスを使う必要がありますが、モロバレルの圧によりトリックルームが張りづらいため、ザシアンがいるこちらが有利です。
vsルナグラ
+or
取り巻きによって選出が難しいですが、ダイマックスレジエレキまで意識するとこの選出。ザシアンと相手のフシギバナを交換し、ダイマックスカイオーガを通していくのがメインプランになります。初手のザシアンの横は遅いポケモンでないと、グラードン引き+『いのちのたま』「ダイバーン」でゲームが終わるので注意。
vsレジエレキがダイマックスしてきそうなとき
モロバレルを盾にレジエレキと殴り合っていきます。通常であればモロバレルとザシアンの並びは初手のガオガエンが非常に苦しいため選出しづらいですが、ボルトロスが構築にいることでガオガエン+レジエレキの初手はされにくいです。
おわりに
今回の全国大会はオフラインでは5回目の参加で、3年前に全敗していたこともあり、今まで以上に気合を入れて臨みました。優勝こそ逃したものの3位でDay2+TA獲得と非常に満足しています。
今回使用したオーガザシアンは名実ともに使用率トップクラスの伝説の組み合わせですが、ボルトロス入りやモロバレル入りまでを対策できる構築は少なく、相手にとって厳しい選出を適切に選択できたことが勝因だと感じています。
最後になりますが、各構築相手のプランを考えるのを手伝ってくれたショウダイさん、ザシアンを貸してくださったぐらさん、当日たくさんの応援を送ってくださった皆さん本当にありがとうございました!
See you in London!